専門外来を設け十数名のGPP患者さんの診療を行っている
GPPを含む乾癬患者さんに関しては、当院では「乾癬・角化症外来」という専門外来を設けて診療を行っています。「乾癬・角化症外来」は週3回、私を含む3名の医師が担当しており、通院患者さんは約300人、そのうちの約4%にあたる十数名がGPP患者さんです。GPPは関節症状を併発しやすい疾患ですが、関節症状がみられる患者さんで、それが乾癬性の関節炎なのか他の関節症なのか判断がつかない場合などは、整形外科と併診を行うなど院内で連携をとりながら診察を行っています。
丁寧な説明で“症状をコントロールしていく疾患”であることをご理解いただく
当院は大学病院という性質上、GPP患者さんが高熱や発疹などの急性症状を呈した状態で紹介されてくることが多いため、患者さんにはまずは急性症状を抑える治療の説明を優先して行います。その後、症状が落ち着いた段階で、30分~1時間程度しっかり時間をとってGPPの症状や治療法を詳しく説明するようにしています。
説明にあたっては、急性症状が再発する疾患であり、その予測がなかなかできないため、症状に変化があった際にはすぐご連絡いただくように、ということは必ずお伝えするようにしています。急性症状が再発しうるということを受容するのは、患者さんにとってなかなか難しい面もありますが、GPPが症状をコントロールしていく疾患であるということを丁寧にお伝えし、ご理解いただくように心がけています。
県内の皮膚科医は顔が分かる間柄。患者さんを紹介してもらいやすい環境がある
尋常性乾癬の治療では、大学病院で生物学的製剤の治療導入を行い、かかりつけ医のもとで維持期の治療を行うといった病診連携が望まれています。しかし、GPP診療においては、急性症状に対する全身管理の必要性や再発のリスクからそのような病診連携が難しい側面があり、むしろ、GPPが疑われる患者さんを迅速に大学病院や基幹病院に紹介してもらう必要があります。その面で、群馬県内の皮膚科医は勤務医・開業医を問わず顔が分かる間柄であり、GPPを含む重症患者さんが紹介されやすい環境はあると思います。